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詩人も占い師も、言葉で世界を救おうとします

昨日、第104代内閣総理大臣に高市早苗議員が指名されました。
日本の長い歴史のなかで、女性が正式に「総理」と呼ばれる日がついに訪れたのです。
長い時間をかけても変わらなかったものが、いま“風の時代”になって少しずつ動き始めています。
この変化が、ぼくらの時代にとって何を意味するのか——。
「高市政権が誕生した日本はどんな方向に進むのか」
このテーマについては、あす以降のメルマガであらためて書きます。



感情の詩人・中原中也の命日

さて今日は、日本近代詩の中でも“感情の詩人”として知られる中原中也の命日です。
1937年10月22日。
彼は30歳という若さでこの世を去りました。
短い生涯でしたが、中也の詩は今も人の心を震わせ続けています。

「汚れつちまつた悲しみに」

この一行に、彼のすべてが凝縮されています。
若さとは、純粋であることの代償。
世の中を知るほどに心は擦れ、理性が感情を支配していく。
けれど中也は、どこまでも感情のままに生き、
それゆえに苦しみ、それゆえに美しかった。

詩に託された魂


1907年4月29日山口県湯田温泉に生まれた中也。
医師家系の長男としての期待を背負いながら、幼少期の弟の死、厳格な教育……
その中で彼は、文学と向き合うことでしか癒せない悲しみを、彼は詩に落とし込みました。

1934年、自費出版で詩集『山羊の歌』を発表。
その後も多くを書き続けましたが、生前の評価は決して高くなく、
生涯の終わりには結核(髄膜炎)により、30歳で生涯を閉じます。
彼の死は終わりではなく、詩という形で魂が永遠に残る“変化”でした。
人の肉体は滅びても、感情と言葉は残る。
彼の詩は、死後にこそ息を吹き返したのです。

占い師に通じる、感情の力

詩人も占い師も、言葉で世界を救おうとします。
ただし当然ですが、言葉だけでは救えない
大切なのは、感覚を掘り下げ、深い感情をつかむ力です。


中也の生涯は、安易な癒しではなく痛みを直視するものでした。
占い師としても同じ。
軽く癒すのではなく、深く共振することで言葉の力が宿るのです。

感覚を磨く

あなたは感覚を磨いていますか?
単に言葉を並べるだけでなく、心を震わせる何かを読めていますか?
あなたは深層を覗く勇気がありますか?
相談者の表には出ない何かに、光を当てる準備がありますか?
詩人も占い師も、その準備がある者だけが、言葉の灯をともせます。
今日という日に、一篇の詩を手に取ってみてください。

その余白、行間、沈黙——
そしてあなた自身の感覚を、どう動かすかを問い直してください。
中也の数十年には、詩に託された命と、星から見える象徴が映っています。
その象徴を、あなた自身の鑑定という場に生かしてください。

絶望の奥に、光を見いだす力

ぼくはいつも思います。
占い師という仕事は、中也のような詩人の感受性を持たなければ成り立たない。
理屈で人は救えません。
データや論理ではなく、魂が共鳴する瞬間にしか、本当の癒しは生まれない。
中也の詩は、希望なんて語らない。
それでも読む者の胸に灯をともします。
なぜなら、彼は絶望を描きながら、その奥に生の肯定を滲ませていたからです。

言葉の力を信じて

ぼくが伝えたいのは、「ポジティブになれ」ではありません。
悲しみも怒りも寂しさも、ぜんぶ抱きしめた上で光を見いだせ。
“汚れつちまつた悲しみ”こそ、あなたを占い師にする。
中也が詩で世界を見つめたように、ぼくらは命式や星を通して人の心を見つめています。
どちらも、「言葉で救う」行為です。

詩人も占い師も、最後は孤独。
それでも語り続ける。それが矜持。

今日という日に、どうか一篇の詩を読んでください。
短い詩でもいい。
その言葉の奥にある“魂の震え”を感じ取ってほしいのです。

感性を磨くこと。
それが、占い師にとっての修行です。

人の運命は、詩のように不安定です。
だからこそ、言葉を選ぶ力が必要になるのです。


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