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精神的に自立できていないと安定した自我が生まれません

 占い師の仕事って自立を促すことなんじゃないかと、ぼくは思っています。もちろん人は、すぐに自立できません。ですから、まずは相手に寄り添うのです。でも、けっして依存させてはいけないのです。依存させてしまうと、お互い不幸になるからです。

ところで、自立には3つの種類があるというのをご存知でしたでしょうか?

1【経済的自立】
2【生活的自立】
3【精神的自立】

この3つです。

 経済的自立というのは、必要な収入を自分の力で得ること。これは、説明しなくても分かりますよね。そして生活的自立とは、生活に役立つ技能を手に入れること。

部屋を片付けられる。
食事を自分で作れる。
洋服の衣替えができる。
仕事を自ら進んでできる。
遅刻しないよう配慮できる。
役所での住民登録など、
公的な手続きを苦労せずできる。
地域の人々とのトラブルにもじぶんで対応できる。


年齢に応じて、できねばならないことが増えていきますよね。

 難しいのが最後の【精神的自立】です。しかし、これが自立の本質といっても過言ではないでしょう。精神的自立というのは、社会と調和した自己の確立です。それは、自分の中に矛盾がないこと。たとえば、


「お金は欲しいけれど苦労はいや」
「つまらない仕事はいやだけど我慢はしたくない」

 こういった《矛盾した気持ち》は心を振り回す要因になるんです。また、「恋人は欲しいけれど束縛だけは絶対にヤダ」「結婚したいけれど、相手の家族と会話したくない」といった感情なども、不本意な矛盾を生み出します。精神的に自立できていないと安定した自我が生まれません。自分の中に矛盾があるから、決断や選択を迫られたときムダに迷ってしまうでしょう。決断そのものから逃避してしまうからです。

 問題をズルズル先送りにし、けっきょく何も選択できない…とても不本意な感情に晒されます。さらに痛いのは、その感情の原因を自分の未熟さとして認められず責任転嫁してしまう場合。自立できていない人と、どうやってつきあえばいいのか?

 答えを言ってしまうと、付き合わないようにするしか方法はありません。これが最終結論なんですが、パートナーや我が子だったら、精神的に自立してもらわないとたまりませんよね。そういう場合、やったことの責任は、つねに自分の問題なんだと思ってもらうようにする。ストレートに伝えるのではなく、遠回しに、やんわりと説明し、気付くまで待つことです。しんぼう強く【待つ】。待つことが、最大の解決方法なのです。それを伝えるのも、占い師の仕事だと思っています。


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