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信頼度の高い人気占い師は「迷信だから恐れる必要はない」と、きっぱり吐き捨てられる

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 なぜ日本は、占いが1兆円市場となったのか、あなたはご存知ですか?それは日本人が部類の迷信好きだからです。何かにつけて縁起(えんぎ)を担ぎたがる、それが日本人の性質。そもそも縁起は仏教用語で『因縁生起(いんねんしょうき)』という言葉を略したもの。簡単にいってしまえば「結果には必ず原因がある」という意味です。

 実際には、まったく関係のない出来事でも「なにか原因があるはずだ」と思い、結びつけたがるのは日本人ばかりとは限りません。むしろ人間全般に共通する心理です。しかし西洋人や他のアジア人は、その感覚を宗教に求めました。ところが日本人だけは独特の宗教観によって、ひとつの思想に縛られることなく多面的に捉えようとしたのです。

 たとえば暦(こよみ)には、太陽や月の動きによって年数や月数、日数を一定に保つ工夫が施されています。しかし旧暦の日付や二十四節気の記載があるカレンダーや暦には、他にも大安とか仏滅、「不成就日」や「一粒万倍日」などイベントごとが書き込まれてます。その中には、いわゆる『迷信』とさるものがたくさん含まれているのです。

 現代には、多くの迷信が残っていて、なぜか排除されません。《大安》や《仏滅》といった六曜(ろくよう)にはじまり、三隣亡や土公神(どくじん)など、枚挙にいとまがありません。迷信とは科学的根拠がない言い伝えのことですが、科学で実証できないものこそ、なにかしらの根拠が必要とされるわけです。なぜなら、原因がわからないと不気味な不安に襲われるからです。

 そもそも《科学的》な技術も、不安からの解放を原動力に発展したわけです。前もって予測できない現象に対し何とかして法則性を見出したい。それは、不規則におこる嵐や地震などが恐怖そのものだからです。文明が始まってしばらくすると『占い』が生れました。それは雨や風、雷、地震といった天災から生まれる人々の不安を鎮める処置です。星を観察したり、神々に祈ったり、偶然性を利用したりして、ランダムに起こる災害をなんとか予測しようとしました。そして編み出されたのが呪術と占術なのです。

 心理学に『呪術的思考』という言葉があります。原因と結果に科学的根拠の認められないものを、あえて繋げて考えよう、とする思考です。

例えば、
「凶時期に墓を動かしたらダメ」
「茶柱が立ったから吉兆」
など、実際にはなんのつながりもないのに「~~のせいで」と考えることが、それにあたります。

 はるか昔から人類は、呪術的思考に基づいて生活し、政治を行ってきました。最近は科学が発達したため、呪術は『迷信』と扱われたのです。現代の有能な占い師は迷信の部分を良く知っています。「迷信だから恐れる必要はない」と、きっぱり吐き捨てられるから、信頼度の高い人気占い師になるわけです。