ぼくは若くして、デザインという世界に魅了されました。
最初はバイクや楽器からはじまり、雑誌・書籍のカバー、レコードジャケット、部屋の装飾や家具へと広がり、やがて茶道具や食器、建築、庭園へと昇華していきました。
それらは単なる“見た目の美しさ”ではなく、「人の心を動かす構造」をつくる仕事だと気づいた瞬間でした。
28歳で上京して2年間はDTPデザインやチラシ、看板、店舗設計や内装の仕事で家族を養っていました。
クライアントに鍛えられ、何度もボツをくらいながら、「デザインとは何か」という問いに対して徹底的に向き合い続けた経験が、いまの仕事の根幹となっています。
売れるデザインと、見栄えのいいデザインは違う
お店のデザインは、“おしゃれ”だけでやってはいけません。
売れるためのデザインと、見栄えのいいデザインはまったく別物なのです。
商業デザインとは、人を動かすための構造であり、空間に「気の流れ」を作る行為。
それは、売上を生む仕掛けであり、人を引き寄せる要素です。
心を動かす設計であり、運を呼ぶ仕掛けなのです。
ぼくはこれまで50店舗以上立ち上げてきましたが、成功する店と失敗する店の違いは、内装や立地よりも「空気」にあります。
お店というのは、理念を見せるステージであり、信念を形にした“祈りの場”。
だから、店づくりを趣味でやると必ず失敗します。
商業空間とは「お客様の心を動かすための舞台装置」。
そこに必要なのは、美意識の上に立つ覚悟なのです。
“好き”ではなく“気が上がる”を置く
店に置くのは、好きなものではありません。
来る人の気が上がるものを置く。
この一点を間違えると、すべてが崩れます。
デザインには五つの原則があります。
- 唯一無二であること — 他のどこにもない魂を宿す。模倣ではなく発信。
- 統一感があること — 色・形・言葉の気が、ひとつの流れとして整う。
- 時代によって風化しないこと — 流行に流されず、理念で立つ。信念は古びない。
- 気が流れていること — 空間に滞りをつくらず、光と風と音のバランスを整える。
- 生活感を与えないこと — 暮らしではなく意図を感じる。店は家ではなく気配で語る空間。
この五原則を外すと、店はただの箱に成り下がります。
看板のフォント、壁の色、照明の高さ。
その一つひとつが“売れる空気”をつくる細胞であり、お店の生命線です。
空間は経営者の心を映す鏡
ぼくがデザインに厳しいのは、その空間に宿る「気」を守るため。
スタッフが疲れている店は、壁が沈みます。
気が乱れている店舗は、照明が濁ります。
だからこそ、まず「場の気」を整える。
生活感を出した瞬間、空気は鈍る。
求められるのは、家庭的な温もりではなく、プロとしての清らかさ。
店は経営者の内面を映す鏡です。
理念が曇れば空間も曇り、経営者が磨かれれば店も光る。
だからぼくは「自宅にあるものは置かない」と決めています。
家庭ではなく商い。安らぎではなく覚悟。居心地ではなく気品。
商業空間は、日常を少しだけ超えた気の整う場所です。
おしゃれよりも“売れる空気”を
おしゃれよりも、売れる空気を。
飾りよりも、理念を。
店は暮らす場所ではなく、魂を見せる場所です。
「ほしよみ堂」のデザインも、美学だけでなく経営哲学の延長線上にあります。
理念を飾り、気を整え、訪れる人の運をも照らす。
それがぼくのデザイン哲学です。
デザインとは、優しさのかたち
ぼくが辿り着いた答えがあります。
それは――
デザインとは、優しさのかたち。
使う人、見る人、訪れる人が少しでも心地よくなるように。
「どうすれば心に届くか」
「どうすれば気持ちが潤うか」
その思いやりを、色や形、空気で表現するのがデザインです。
つまり、デザインとは“見せるためのもの”ではなく、“相手を想うためのもの”。
美しさとは、相手への親切さが積み重なった結果。
デザインの本質とは、愛の結晶なのです。
占い師は、言葉のデザイナー
究極、占い師の仕事とは未来を言い当てることではありません。
目の前の人の心をどう整え、どう希望の方向へ導くか。
それはまさに“デザイン”です。
言葉の配置、声のトーン、沈黙の間。
そのすべてが、相手の心に触れる設計。
デザインとは、優しさのかたち。
占いとは、その優しさを言葉にする行為。
だから占い師は、運命を見抜くだけではなく、運命を整えることができる。
相談者の人生を、少しでも美しく整える。
その瞬間、あなたはただの占い師ではなく、心のデザイナーになるでしょう。
占い師とは、心を整え、未来を描くデザイナー。
あなたの言葉が、今日も誰かの人生を美しくデザインしているのです。

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