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震、雷の卦

坤が静かに受け取る大地なら、
震は、その大地を揺らす雷。

乾が巡る力、坤が支える力だとすれば、
震は、その内に満ちたものを動かす力。

静けさの中に、突然、音が鳴る。
それが、震の始まりです。

震は「驚き」。
確かに、そう見えるかもしれません。

でも、その音は、本当に突然だったのでしょうか。

雷は一見、突然のように感じられます。
けれど実際には、積乱雲が育ってきているという前兆があります。

なんだか雲行きが怪しい。
そんな感覚を覚えたことはありませんか。

坤は静かに受け取り、育てる大地。
丁寧に育ててきたもの。

それが、震によって、初めて外へ向かいます。

それを踏まえると、

あなたの中で育んできたものに、
稲妻のように光が走る。

震とは、そういう瞬間なのかもしれません。

震の象には、「始まり」「目覚め」「恐れ」という言葉が並びます。

恐れ、という言葉に、構えてしまうかもしれません。

想像してみてください。

雷が鳴ると、人は思わず身をすくめます。
恐怖もありますが、
時に緊張や、心の準備に近い感覚かもしれません。

同時に、雷は恵みでもあります。

雨を呼び、大地を潤し、
眠っていた種を目覚めさせる。

あなたの中で育んでいたものと、
芽を出すタイミングが合う。

ただ、あなた自身が、
それをいつの間にか忘れている。

そんなとき、震は驚きを与えて、
目覚めさせてくれるのかもしれません。

大きな音が鳴る。
心臓が跳ねる。

音と光で、一瞬にして伝わるもの。
多くを語らないのに、深く刺さる。

怖さの中に、
どこか高揚が走る。

その高揚を忘れないうちに、
流れに乗り遅れないようにと、
合図が送られているのかもしれません。

ただ、震にも難しさがあります。

それは、「動き出す力」を
「焦り」と混同してしまうこと。

あの大きな音に急かされるような感覚。
確かにあります。

でも、そういうときほど、
冷静さを失わないことが大切です。

落雷が近いときほど、
まずは冷静に、と言われますよね。

今、何が動き出しているのか。
その流れを、まずは見極めること。

それが、震の力を生かす第一歩です。

焦りに駆られると、こんな声が聞こえてきます。

「動かなければ、何も変わらない」
「早くしなければ、遅れてしまう」
「このチャンスを逃したら、もう終わりだ」

動き出す力が、暴走に変わり、
目覚める力が、焦りに変わってしまう。

これは、震の崩れです。

でも、そんなふうに思ってしまうことも、
人であれば、きっとあるはずです。

むしろ、何かが動き出そうとしているからこそ、
その心の揺れ幅が、大きくなることもあるのかもしれません。

その揺れの中で、
どう在るかが問われているのかもしれません。

占いで震が出たとき、まずは
自分の中で動き始めているものに、気づくこと。

自分の心がどんな風に動き始めているかに目を向け、
次を急ぐより、
何が自分を揺らしたのかを、静かに確かめること。

雷は、空に生まれ、大地に届きます。

上と下をつなぐもの。
天と地の間を、一瞬で走り抜けるもの。

震の力も同じです。

内と外をつなぐ。
過去と未来をつなぐ。
止まっていた自分と、動き出す自分をつなぐ。

怖くていい。驚いていい。

その衝撃は、
あなたの中で、何を動かし始めましたか。

その問いを、胸に持ったまま

次は、坎(水)の話をします。
動き出した力が、ぶつかるもの。
震の勢いの先に、坎が待っています。