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大安や仏滅の計算式って、じつは旧暦の月日なのです

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 先日、ある生徒さんから「仏滅は避けるべきですか?」と質問されました。結婚式に最適の日といわれ式場は予約で溢れる『大安』。逆に「仏滅割引」をする結婚式場もあるくらいです。でも、よく考えてみると六曜というのは6日に1回巡ってくるもの。一定の周期で機械的に繰り返す….冷静に考えると、有り難みなんてないはず。

六曜の計算式って、じつは旧暦の月日なのです。その仕組みは、とても単純で知るとバカバカしく感じるはずです。旧暦の正月は先勝からはじまり、
2月1日は友引から、
3月1日は先負から
4月1日は仏滅から、
5月1日が大安から、
6月1日が赤口からスタートするだけ。つまり旧暦元日が先勝で、正月2日は友引、3日は先負、4日は仏滅、5日は大安、6日は赤口なのです。

 何の面白味もない暦注のためかつて暦には記載されませんでした。ところが新暦へ改暦すると、旧暦の月替わりが突然起こるので不思議がられたのです。六曜のプロトタイプは、『小六壬(しょうりくじん)』という占いです。ただし、泰安・留連・速喜・赤口・小吉そして空亡と呼ばれていました。時間の吉凶を占うもので、たとえば占うお題を決めて「占おうと思った瞬間の時間が
吉であれば結果も吉」という具合に使っていました。鎌倉時代ごろ日本に伝わって、『時間の吉凶』を占っていました。

時代は進み、江戸時代になると
大安⇒泰安
留連⇒流連
速喜⇒即吉
赤口⇒赤口
周吉⇒小吉
空亡⇒虚亡
と、名が変わります。さらに時間ではなく『日の吉凶』を判断するようになりました。民間の暦(こよみ)の暦注に記載され始めたのもこのころ。

 そして明治に入って旧暦から新暦へ変わりました。それを機に、「迷信は文化発展の妨げになる」とのお達しがあり、カレンダーから姿を消しました。太平洋戦争が終結して「表現の自由」が謳われると、大安・先勝・友引・先負・赤口・仏滅と名前を変えてカレンダーに復活したのです。

 さて、時代とともに名前や用途を変えてきた六曜。ちなみに小六壬での《大安》は「動かずに安静にして吉」という意味でした。万事よいわけではないのです。親や祖父母の時代から慣習的になっていますので、ひとりだけ仏滅に結婚式を挙げる勇気がある人はそうはいないと思います。六曜が迷信だと知っているのに冠婚葬祭の要となっている。本来、引っ越しや結婚に大安や仏滅なんて関係ありません。

 ぼくたちプロの占い師はまったく別の方法で日の選び方をしているのです。