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ひとりの熱烈な顧客がたくさんの顧客を紹介してくれる

 あなたのビジネスを「長く」「安定的に」「低コスト」で利益に導きたいのなら、口コミを集めることがいいです。なぜなら口コミは無料の自動集客装置となるからです。口コミ効果で収益が上がれば広告に使うお金や手間が大幅に軽減できるからです。口コミの効果は、心理学や統計データで証明されているのです。

 占い師になって人気になり、お客さんの予約が絶えなくなるには、口コミを増やす方法がいちばんです。自営業者がもっとも期待を寄せる集客効果のひとつに【くちコミ】があります。なぜなら【くちコミ】による効果は、リピーターよりも大きな収益をもたらしてくれるからです。

 口コミの効果を証明する根拠は「心理学」にあります。その代表となるのが3つの心理です。まず、ひとつめ。当事者からの情報より、第三者からの情報の方が信頼性や信憑性が増すという心理です。たとえばラーメン屋の店長に「うちのラーメンうまいよ!」と言われるより、「あのラーメン屋うまいらしいよ」という噂を聞いた方が信頼できますよね。これを『ウィンザー効果』と呼びます。

 ふたつめは、多数のひとがある商品を選んでいる現象が、それを選択する者を増大させるという効果になります。「こんなに多くの人が支持しているなら間違いない」という心理が働くこと。これを『バンドワゴン効果』と呼びます。

 みっつめが、ある対象を評価するとき、顕著な特徴に引きずられて他の特徴についての評価が歪められる。つまり、「口コミが多い」という特徴に引きずられて、良いものだと評価してしまう心理のこと。これを『ハロー効果』と呼びます。

以上の3つの心理効果が、口コミのおおきな利点です。

 ひとりの熱烈な顧客がたくさんの顧客を紹介してくれるそんな口コミがたいせつです。口コミというのは最初の一粒の質が低くては、実ることない稲穂のようなもの。「なんとか口ちコミで収益を増やしたい」みんな、そう思っています。

 ちょっと厳しいことをいうと、そういう悩みを持つこと自体が、すでに《ズレている》んです。なぜなら、口コミというのは《結果》であって《手段》ではないから。あなたのスタイルやサービスを含めた商品力。それを磨くことでしか、くちコミは生まれないのです。そのひとが提供する商品やサービスに感動した結果、クライアントが起こす行動です。ニーズそのもの、といってもよいでしょう。くちコミという言葉は、じつに曖昧なのです。

 商品開発やサービス向上、人材育成といった手段を講じ、その結果、顧客の満足度が高まって生み出されるもの。ですから、「くちコミで収益をあげたい」というのは、ポリシーのない願望なんです。ポリシーのない商品にはくちコミを生み出す力はありません。なので、まずは信念をもってあなたの商品やサービスの質を高めることが重要なんです。が、くちコミにすがる自営業者は「どうすれば質が高まるのか」を把握していない場合が多い。

 むしろあなたの持つ強みと弱みの自己分析ができていないからこそ『くちコミで広げたい』という言葉が出てくるわけです。この場合《ブランディング》からやり直す必要がでてきますよね。

 簡単にいうとブランディングとは「世間の客は何を求めているか」を調査し、どんな《強み》があるか分析してサービスに反映させることです。これができて、はじめてくちコミの可能性が出てくるというわけです。

 くちコミは、けしてまぐれや自然派生的に起こるものではありません。徹底したブランディングと絶え間ない品質向上によって引き起こされる現象なんです。とくに、占い師たちはじぶんでじぶんを紹介する、ということはしません。かならず、誰かに、「すごい占い師ですよ」と褒めちぎられて拡散するのです。